一月二十一日昼下がり。普段なら静かな眠りに就いている時刻、ノースディンは傍らで寝息を立てる体に手を伸ばした。まだほんのり温く、しっとり感じられるのは自分の欲のせいか。
「……ん」
肩から首筋を撫でると、目蓋が僅かに持ち上がった。まだまだ眠い、睡眠を欲しているという眼を見ても手は止められそうになかった。ドラルクが半ば眠った声で答える。
「……する、んです?」
「できるか?」
「……寝そう」
ていうか寝てます、起きれる自信がない。
もつれた舌でそう言うのも無理はなかった。つい五・六時間前、太陽が昇りきってもまだ体を繋げていたし、その前日から触れては離れ、あと少しというところで止め、お互い焦らしに焦らしてようやく繋がったのが今日の明け方だ。到底一度や二度で止められるわけがなかった。いわゆるスローセックス――ポリネシアンセックスともいうらしい――に、この二日をまるまるかけていたのだ。真偽はともかく定説では五日かけるらしいが、ドラルクの体力等々諸事情により、二日に短縮とした。
塵にならなかったのが奇跡、といえるドラルクが懇々と眠っていたのは至極当然で、ならば自分が余韻を持て余していてもやむなし、とは思わないが、かれこれ二時間眠れていない。ドラルクが目覚めるまで待つならば今日もこの宿に泊まるしかなく、その場合ジョンにもう一日主人を独占する旨伝えねばならない。見透かされるだろうことを考えると、できれば避けたい流れである。
「眠っていても構わないが」
「……氷笑卿が寝込みをおそっていいんですか」
「お前といるときは氷笑卿ではない」
ふ、と目を閉じたままのドラルクが笑った。微睡みながら寝返りを打つ。カーテンを降ろした昼間特有の薄暗さに、尖った鼻筋が浮かんだ。
「じゃあ今日から夜這い卿……あ、昼でも夜這い……?」
「それだけ口が動くならできるな」
「できなくてもする気だろ……」
「できないならしないが、寝ているならするぞ」
「なんだそりゃ」
くふりと笑ったが、一分黙っていたら寝てしまうだろう。寝かせてやりたいのは山々だが、「この二日間は何でも付き合いますよ」と言われた二日目だ。誕生日だから、などという理由で他愛もない一言を口実にするようになったのは、この弟子兼恋人の影響に違いない。
頬に口付けてから体を引き寄せ、絡むように腕と脚をまとわせる。肉付き皆無の体だが、するすると滑る肌は手のひらに心地いい。気持ち良さげに体を反らせたり、逆に逃げたりするのを追いかける戯れもいい。
二日間のうち前半は触れるのみという縛りがあったため、肌の肌理一つひとつを確かめるように触れていた。指先で、手のひらで、指の背や唇で。足のつま先から膝の裏、腰骨を回って腕の付け根にたどり着いたときは一度ドラルクから泣きが入った。よく飽きずに撫で回せるな、と吐息混じりに言われたが、この薄い体を確かめることは無事を確かめることでもあり、いくらでも続けられる。知らぬうち敏感になっていた箇所も分かり、その上ドラルクがただ肌を撫でるだけで反応するようになったのだから、スローセックスとわざわざ題するほどの効果であった。おかげで今も、寝息に近かった呼吸の間隔が短くなり始めている。
「眠れそうか?」
んんんん……、と寝起きに漏らす唸りを聞いた上であえて問うと、薄い唇を尖らせた。
「やっと手に入れた安眠を……」
「私にはまだ訪れなくてな」
その気になりつつある恋人の上に覆いかぶさり、骨の浮く上半身に口付けていく。骨と骨の窪みに触れるのはこれまでひやりとしていたが、案外ドラルクはそこがいいらしい。回る舌がいくらか大人しくなり、指先の動きを意識しているのが分かる。洗濯板だのガリヒョロだの、言ってしまえばまあそうだが、触れている間は正直に反応を返す、愛おしい体の一部だ。
「……かっこつけて、いくの我慢するから」
「……そうでもなかったぞ」
実際、普段よりは格段に早かった。特に一度目は。ドラルクが覚えていないだけ、というよりそれどころではなかったからだろう。
「私ぐらい、いってみたらいいんですよ……そしたらアンタも今頃ぐっすり」
「その回数お前が付き合えるならな」
「……私何回いきました?」
「分からん」
一度達して以降しばらく止まらなかったし、いくら揺さぶってもいいようなドラルクを前に自分も衝動を抑えることに必死で、回数を数えるどころではなかった。
入れるぞ、と指先で小さな窄まりを撫でると、ドラルクが肩口に顔を埋めた。入り口はまだ柔らかく潤びて、微かな抵抗だけで指はそのまま中を進み、二本、三本と増やしてもきつすぎる締め付けはない。吐き出される息も深くゆったりしている。
とはいえ性急な自覚はあるが、長くする体力はドラルクにもない。それに午前中余韻が引かなかったのはドラルクの方だ。再開すればまた熱がぶり返す。指を止めればもっと深くと腰を落とそうとするし、少し前まで眠っていた体の中心は立ち上がっている。触れだの触るなだの、文句と色気を織り交ぜなから騒いでいた一連を思い出して苦笑する。
『いくなって言うなら触るな』
『……さわんなくてももう無理』
『一ミリでも、動いたら、でる』
『…………いきたい……』
変わる主張の最後には、瞳に涙の膜を張って訴えた。それを宥め、何とか堪えさせ、挿入から三十分経過の後ようやく達したドラルクの表情は、恍惚や艶めかしいなどという言葉ではとても追いつかないものだった。思い出すだけで下腹に熱が溜まる。本当に自分を受け入れたとき、ドラルクの体はああも変化するのだ。
「……も……はいる」
三本の指に中を撫でられ、再び瞳をとろかせていたドラルクが、脚の内側をノースディンにすり寄せる。
「……もう一度我慢してみるか?」
「……今度こそしぬわ……」
それはそうだな、と笑って答え、自身をドラルクの中に沈めていく。数刻前自身の体温と一つになった温かさに再び包まれ、は、と息が漏れた。押し開かれた箇所から絡みついて、誘うように蠢く。悦んでいないと思う方が困難だ。
「……っう、ん……」
太い部分を越すときは背がしなり、浮いた体を抱いて腰を押し付ければ、息を詰めた体が腕の中でびくんと跳ねた。あれほど達したあとでも、というよりそのあとだからか、体が容易に昇りつめる。
「ん、んん……ッ」
「……いいか?」
分かっていても聞いてしまう。返事がないことを前提に聞くのだから最早確認だ。堪えようとしても鼻から抜ける声に甘さがある。その響きが例えようもなく好きなのだ。
「待っ……うごく、の」
ああ、と返して、そのまま柔く耳の端を食んで滑らせる。首を竦めようとするがままならず、その艶かしさについ腰を揺らすと、もう一度小さく背を跳ねさせた。うう、と唸って睨むのもノースディンが好む表情だが、さっきまでは達している間も動くことを止めなかったから、余韻はあってももう戻ってしまったらしい。残念ではあるが、あれが続いたら続いたで問題だからいいのだろう。力の入らない体で、ノースディンが快楽を与えるまま達していたのに、息苦しささえいつもの半分のようだった。あれではこちらだって加減などできやしない。
「……ん……ぁ、あ……」
気持ちいい、と緩やかに始まった動きに声を洩らす。日頃そこまで口にしないが、今回ばかりは発しないと受け止めきれないようだった。一日半焦らされて、さらに中に入ってから三十分ただ抱かれたままでいられたらそうもなるだろう。ドラルクの感じる良さはそのままノースディンの良さで、溶け合うように馴染んだそれを動かすとき、体の奥から痺れが走るような快感が生まれるのだ。
「……まだいいか?」
「、っん、……い……い……」
聞いて、頷かせてやるのが伝わっていると分かっていいらしい。泣きそうな顔は和らぎ、中を擦るたびに恍惚とした光が目に浮かぶ。両脚を抱え、入り口から奥を抉るように突けば、切なげに長引く声が上がった。長く出させ過ぎると喉の痛みで死んでしまうので加減が必要だが、今日に限っては難しかった。耳から煽られて、限界まで広がったそこをまたぎちりときつくしてしまう。なのにそれにも甘い声を返すから止めようがない。
「……ッ、ドラルク」
開いた瞳の、小さな赤すら潤んでいる。こんなに忙しない呼吸をさせているのにまだ欲しがるのか、と思っても無理だった。
「……奥は、いけるか」
無茶言うな、と普段ならそう言いそうな恋人は朦朧としているせいか素直に考えたらしい。瞬きをして何とか頭を動かした結果、左手の指五本を開き、次に右手の親指と人差し指で丸を作った。
「半々か」
「……から、さん、わり」
「低いな……」
あたりまえでしょ、と胸を上下させながら答える。それはその通りだ。
「……アンタの見込みは」
「……五割……、五分」
「…………なに気持ち上乗せしてんです、……ふ、ふふ、」
「笑うところか」
何故かツボに入ったらしい。呼吸の合間に笑うドラルクが続ける。
「いいですよ」
「五割でもか?」
「誰に聞いてるんです? 私は好きですもん、危ない橋」
アンタと違ってね、と頼りない肩を上下させながらニヤリと笑った。頭の痛くなるような寛大なような、人を複雑にさせることを言う。死ぬことを厭わないドラルクに尋ねている時点で、とやかく言えることなど何もないのだが。
下から広げられた両腕の中に上半身を落とし、細すぎる体を守るように腕に抱く。矛盾のようで矛盾じゃない。理屈で説明できないことがいくつ増えただろう。付け根まで入ったそれを押しつければ、耳にかかる息が震えた。腕に力が籠ったのを感じ、行き止まりのはずの奥をこじ開ける。
「――――ッ!」
「ッ、く」
本能的に逃げようとする背をかき抱き、ノースディンも歯を食いしばった。熱が迸る感覚に飲まれそうになるが、これ以上の力任せはできない。先端は普段触れない粘膜に触れている。息を短く吐き、シーツに散った塵を片方の手でかき寄せる。髪や体の端は塵になってしまったが、ほとんどの部分はなんとか形を保っている。
必死にしがみつき、声もなく震えるドラルクの耳元で名前を呼び、極力少ない動きで最奥からから先端を引き抜いた。そのはずみでドラルクの性器から僅かに濁ったものが吐き出される。
「……ドラルク」
腕を回された背中には時折塵の感触がある。限界をとうに超えて酷使されている肺も絶えず膨らみまた縮んで、哀れなほどだ。――けれど、死なない。到底無理なはずの行為を、かろうじて受け止めている。それがノースディンには苦しく、愛おしく、たまらない気持ちになる。
「……大丈夫か」
問うとしばらくののち、指先が力なく背中に何かを書いた。文字らしい。二度繰り返された動きから察するに、数字の三のようだった。
「……何の三だ?」
「…………と、さんびょう、で、しぬ……」
「五秒頑張れ」
ようやく返ってきた声に安堵し、同時に焦る。まだいくらか力を残す性器を抜いていくと、絡みつく粘膜が淡い息に合わせて収縮する。もう一度揺すりたくなるのをぐっと堪えるのも一苦労だ。
いつから、ドラルクが求める以上の欲を持つようになったのだろう。ドラルクが満足すれば良いはずだった。感情も、肉体の欲求も、本心からそう思っていた。
ドラルクがみじろいだ。何とか面を上げ、今にも意識を落としそうな視線を寄越す。ほとんど落ちている目蓋に口付ければ、す、と体の力が抜けた。次の瞬間、全身が塵に変わる。
フー……と長く息を吐き、薄灰色のそれに手を添える。体温がなくとも、肌の滑らかさや骨の硬さがなくとも、塵の一粒一粒がドラルクだ。撫でると低い砂山に指の跡が平たく残る。普段は数秒とかからず復活するがまだ戻らないのは疲労のためか、極力山を崩さないよう撫で続ける。塵を弄るのは復活の邪魔をするような気がするのだが、本人曰くさほど変わらないらしい。よほどバッサバッサと打ちまかれなければ。
撫でているすぐ近くから、にょき、と手が現れた。ヒラヒラ振るそれを取りゆっくり引き起こすと、手首から腕、それから上半身と見る間に形を取り戻す。つい先程抱き合っていたときと同じ、けれど痕跡も気だるさも一掃したまっさらな裸体だ。ツノのごとき髪もピンと尖って、頬は心なしか艶めいている。
「おや、思ったよりしょぼくれてない」
「ここまですればそうなるだろう」
ある程度は分かっていてやったのだ、ここで落ち込むのは馬鹿だろう。だから自分とはそれなりに愚かなのである。
寒々しい肩を毛布で包むと、布団も、と指を差すので念動力で引き寄せる。受け取ったドラルクが二人の体を包んで横になろうとするので合わせて寝転んだ。もそもそと自分の懐に収まると、ふう、と息を吐く。
「アンタはまだあったかいな」
「まあな」
「満足しました? 一泊二日のスローセックス」
アンタからそんなリクエストが出るなんてね、とニヤニヤ笑ってこちらを見上げる。
主人の貸切がジョンからの誕生日プレゼントだったのだ。今思えば魔が差したとしか考えようがない。悔いがないのが言い訳にならないところだが。
「これで満足しなければ獣だろう」
「へえ? 名残惜しそうじゃありませんでした?」
口の端を上げてこちらを見る。体力がないくせにそういうところは見ているのだからまったく厄介だ。
「……最中はそう見えるものだ」
「生き返ったんであと一回くらいできますよ」
つつ、と赤を纏った指先がいたずらに肌を辿る。こら、と嗜めて指を絡めると、それはそれでわやわやと指を動かして遊び出す。裸で触れ合っていればその気になってしまうと分からないのか。いや、分かってやっているのだこの弟子は。
「そんなことをしていたら今日は帰れんぞ」
「いいんじゃないです? 年に一回くらい」
「……そんなに私を節度のない男にしたいのか」
「ふふ、だってアンタが五割に賭けるなんて珍しくて」
「……」
「奥入られてるときって、正直何も分からんのですけど、アンタが私をほしくてしょうがないのは分かるんですよ」
「…………」
「それに抜かれたあとの中がやばくて、特に今回なんか昨日からしてたでしょ。もうずっとアンタがいるの……ちょっと、なんです」
手のひらで口を覆うと、苦しくて死にますよ、と上から手の甲を叩く。苦しくなるほど押し付けてはいない。
「そういうことを口に出すな」
「またしたくなっちゃうから?」
言い返せず窮しているとドラちゃん御明察?と至極楽しそうに笑う。
「まあともかく、私はアンタにがっつかれるの好きなんですがね、残念ながらレアなので。その気があるうちにお誘いしてるわけですよ」
「……私はお前に、過度な欲をぶつけたくはない」
言うとぱちりと目を瞬かせる。丸二日の行為の上、さらに目覚めてからも求めておいて何を言うのかと思っていることだろう。ノースディンが一番思っている。
「お前は死ぬことを厭わないが、ならば気にしなくていいとは思えん。……真面目に聞け」
さっきからぽかんとした顔で聞いていたと思ったら、今度は笑いを堪えている。
「聞いてますよ、聞いてるから面白いなこのひとって、あ、失敬」
少しも悪いと思っていない口調で付け足し、布団の中からもぞりと手を出した。細すぎる、しかし形の美しい指が頬に触れた。爪の先ひとつだって塵にしたくないのだ。本当は。それでも欲しいと思ってしまう。常に愛するものに囲まれて、楽しく賑やかに過ごすこの恋人が、自分だけに費やしてくれる日があるというならば。
「欲っていうのかもしれないけど、私のことが好きでしょうがないからでしょう」
「……」
「じゃなかったら私途中で百回は死んでますよ。寸止めの連続だって我慢できないし、する気もないですしね」
危うかったがな、と言うと、セーフにしたでしょ、とすかさず返される。
「だからその過度な欲とやらも好きにぶつけたらいいんですよ。大体アンタがするなら三秒で死んでも一回も死ななくても私的には同じだし」
「前の話と矛盾するだろう」
「まーだ粘るか頭カチカチヒゲ、じゃあ何です、この二日間の感想は至宝ドラルクを抱き潰してしまい大変遺憾とでも言うんですか」
「そんなことはない」
「じゃあご感想は」
「……」
「ご感想は??」
「…………もうしばらく、お前に触れていたい」
一つベッドで抱き合っている者とは思えぬ表情で手を耳に当てていたドラルクの目が丸く開かれた。それからゆっくり細められ、柔らかい笑みは最後、邪気のない満面の笑みに変わった。
「ね!」
何の同意の「ね」だ、という疑問を口にする前にドラルクが続ける。
「正直者にはエア延長券をあげましょう」
ジョンからね、あ、私と連名ね。上機嫌に言って、唇に軽いキスを寄越す。
「誕生日はまだ続いてますからほらほら、好きなだけしましょ」
「お前一度死んだからって過信できる体力はそもそもないぞ」
「微妙にチクチクしいこと言うな」
言いながら首に腕を回してくる細い体を抱き寄せる。元に戻って良かったと、何度繰り返しても毎回思う。こうしていられるだけで満たされるのも事実で本心だ。今度はノースディンの方に眠気が訪れる。
行為の中盤以降、「ここでやめるとか正気か」「この状態で寝られる方がどうかしてる」等々不満と泣き言を繰り出すのを宥め、「体あつい……」と呟いて布団に包まり眠るのを見届けてきたのである。まともに寝られるわけがない。
首筋に顔を埋めたまま動かない自分に、ドラルクが微かに笑う。
「延長したのにアンタがおねむですか」
まあいいか、またすれば、とお前は性に放埒過ぎる、と小言を零したくなることを言う。しかし触れる素肌が心地よく、口が開こうとしない。何もせずただ抱き合うなど、行為開始後真っ先に、かつ十分すぎるほどしたというのに。ひんやりとした指先が髪を弄ぶのが眠気を誘う。ああそうだ、ちょっとだけ起きて、という声に、両の目蓋を薄く開く。
「お誕生日おめでとうございます。って。ちゃんと言えてなかった」
「……そうだったな」
思い出して、ふ、と笑う。日付が変わった頃は確か、ドラルクがもどかしさのあまり涙目で唸っていたときだ。思わずやめるか、と聞いたのだ。けれど、やめない、と返ってきた。かなりやけ気味ではあったが。
――いつの間にか。
受け入れられる、ということを受け入れている自分がいる。眠りを妨げてまで求めることも、こうして、話している間に自分だけ眠ろうとしていることも。
変な体勢で寝て首痛めないでくださいよ、と言う声は普段から考えつかぬほど穏やかだ。抱いた体を離さないまま首の角度だけ整えると囁きのような笑い声が降ってきた。幸福は音になることもあるらしい。らしからぬことを考え、枕に頭を沈めた。
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